相続登記はいつまでにしなければならない?

 こんにちは。今日は、よくあるご質問のひとつである「相続登記の期限」についてお答えしたいと思います。

 

 ところで、各種の相続手続きには「死亡から14日以内」等、期限が決められているものがいくつもありますよね。経験された方は大変な思いをされたことと思います。

 では、相続登記はいつまでにしなければならないのでしょうか? ※念のため、相続登記とは、土地や建物の登記名義人が亡くなったときに、その名義を相続人に変更する手続きのことです。手続き先は、その土地や建物を管轄する各地の法務局です。

 

 結論から申しますと、相続登記には法律上期限はないということです。

 

 期限が決めらていないので罰則等はありません。したがって、後回しになりがちです( ^^ ;) また、手続きの難易度から考えても、相続登記は数ある相続手続きの中でも最もハードルが高いもののひとつと言っても過言ではありませんので、この点からも、後回しにするつもりがなくても時間がかかってしまうという事情があります。私の事務所でも、被相続人さんが亡くなってから 20年、30年以上経過した事案のご相談も珍しくありません。

 

 じゃあ、相続登記なんてのんびりでもいいじゃないか? ということになりそうですが、それはあまり良くはありません。

 

 最大の理由は、時間の経過により、第二、第三の相続が発生し、相続関係が複雑化する可能性が高くなることです。通常、土地や建物を相続人のうち誰が引き継ぐのかは、遺産分割協議と呼ばれる相続人全員の話し合いによって決定されます。相続関係の複雑化により、一度も会ったこともないような人、長らく疎遠な人と、遺産分けの話し合いをしなければならない事態に陥ります。すると、話し合いは難航する可能性が高くなります。あるいは、話し合いをすること自体が面倒になってしまい、さらに先送りされます。

 

 ここで、そもそも名義を変えないと何が不都合なのかという疑問もあるかもしれません。その答えはズバリ、土地や建物を売却したり、賃貸等の有効活用をする際に支障が生じるということです。売却するにしてもローンを組んで担保に供するにしても何かの権利を設定するにしても、被相続人名義のままだと、それらの契約を結ぶことができません。最初の相続人さんが売却する気がなくても、その次の世代の方は同じように考えるとは限りません。その時になって名義変更しようと思っても、ほぼ不可能に近い状態になることもありえます。何をするにもまずは相続人名義にすることがスタートラインなのです。これが「相続登記はお早めに」とお勧めする所以です。

 

 では、本日のまとめです。

相続登記に法律上期限はない。でも、のんびりはよくない。

 

 それでは、また。

 

※注意:本記事は、「民法等の一部を改正する法律案」、「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律案」のいわゆる相続登記義務化関連法案が、令和3年4月21日に参議院本会議において可決・成立する前に書かれたものであり、これらの法律の施行後は、記事の内容に一部正しくない部分が生じることにご注意ください。